福岡・関門エリアの食歩記☆たまに旅行

詳細は食べログ記載(^^ゞ

2016年9月8日木曜日

文明開化の音がする・料亭金鍋 / 北九州市若松区・若松駅周辺







北九州のレトロ地区若松、
創業120年を誇る九州初の牛鍋店。


ブログランキング・にほんブログ村へ



場所は若松駅から徒歩圏内
イニシエの時代から多くの著名人がお見えとあってさすがの構え。






間口には華と龍の色紙
飴色に光る廊下に真紅の絨毯。
このたびは事務局の方を迎えての北九コミュ大忘年会ということで
お二階奥の会場 最大70名まで利用できるとの大広間へ、
舞台もありで遠い昔には芸子さんが舞を披露された姿が思い浮かびます。






高い天井には絢爛な装飾、
畳張りの純和室にテーブルで和洋折衷なスタイル




事前にセットされておりまして
続々と到着する皆様も迷うことなくお席に。


幹事様より事前に案内をいただいており

月懐石と牛鍋の2種類のコース
私は後者をお願いしておりました。






☆牛鍋コース(竹コース8640円:飲み放題付き)
先付・前菜・造り・蒸物・食事・デザート






先付と前菜
あっさりとした山芋豆腐に小さな器に収められたあでやかな前菜、
銀杏・いくら・蕪の酢物など、菊型の器には数の子の酒粕あえ。
ああ、もうすぐ新年だなと。お酒の進む内容でしょうね。






お造り
鯛・ヤズ・貝と鮮度宜しくで美味






名物の牛鍋




厚切りにした伊万里牛サーロインを八丁味噌で炊く料理、
明治の文豪たちに愛された文明開化の味わいとのふれ込み。




ネギやシイタケをひと煮立ちさせたのち
綺麗にサシの入ったお肉を浅鍋でクツクツと炊きます。




みそ仕立ては初めてなので濃い味イメージを持っておりましたが
思いのほかあっさり。
じゅわりと甘い脂とお味噌が絡まって
これが文明開化の味わいですか(うんうん)






綺麗な着物姿のお若い仲居さんが
サロンエプロン姿で丁寧に作ってくださいますが
お鍋も絵になっていますね。




玉子もきちんと溶いてくださり
それぞれにお野菜とお肉をよそってと至れり尽くせり。
締めにはウドンを投入。



総勢20名を超える宴なだけに仲居さんもずらり揃って艶やかなお仕事。
何かにと細やかな気配りをくださり感心していると
レビュアーさんのおひとりが女将に
お雇いになる際には綺麗な女の子を選んでいらっしゃるのでしょうねと、

すると
「うちの子たちは働いているうちに皆、きれいに可愛くなっていくのですよ」
そう笑顔で返されていたのにますます感心いたしました。
金鍋という料亭にあってこそのご返答でさすがは女将と粋なご返答。
まったく敬服させられました。






他、茶碗蒸しにむかごご飯とお味噌汁
デザートのゆずシャーベット。






牛鍋に合わせてお口直しに茶碗蒸しはちょうどよく




シャーベットですっきりと。






途中、
その名となった18金の正真正銘の金鍋で縁起を担いで日本酒をちびり。
下戸なものでそのものでは辛くツンとくる日本酒は
とても口にはできない性質ですが
まろやかな口当たりとなることは不思議そのもの。

差し入れの梅酒もいただいて
ほんのちょっぴりでしたがフラフラとほろ酔いの毎日。






3つあった金鍋も戦時中に失われ今あるものが最後のひとつで大変貴重
お店とともに大切になさっていらっしゃいます。






かつて門司港・下関と並びの日本の窓口であった若松
案外気づいておりませんでしたが
北九州港と下関港を総して関門港と呼ぶそうで
国際的にも知られる港地区だそう。



私的にですが細々とではありますが地道に続ける食べログは
遠くにあって近い存在のレビュアーの方々との
海潮に流れがあるように目に見えぬ交流を今更ながら感じております。
良いご縁がさらにまた良いご縁を運んでいく、
そういったご縁を繋ぐ場所がこちら金鍋なのですね。





散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする(ポン♪)


ブログランキング・にほんブログ村へ



関連ランキング:懐石・会席料理 | 若松駅